杉田 荘治:Shoji Sugita 50 チァーター・スクールに関する見解
51. NEAとAFTとの違い
はじめに
『すべての学校を非常に良くしょう』:" Making Every School Great "の合言葉で、第137回NEA
の年次大会(RA; Representative Assembly ) が2001年7月2日ー7日、Los Angeles で開か
れたが、その内容をかなり詳しくWWW上で報告している。 従って、こられの資料とごく一部であ
るが、杉田によせられた回答を含めて、その概要を述べることにする。
Ⅰ NEAとAFTとの提携について
別稿51で述べたとおり、7月6日、AFTと歴史的な提携をすることを、58.8%の賛成で決定した
(partership agreement)。 もっともAFTの執行委がそれを可決すればの条件付であったが、そ
のように進んだものと考えられる。
その後、『NEAFT 9月11日基金』や後述するような標準テスト問題、チャーター・スクール問題な
どで両者は協議・決定している。
Ⅱ 協議事項について
１ ゲイ、レスビアン、異性体性の件
生来そのような性的条件をもっている生徒や教員を保護するための検討委員会を発足させる。
２ 会費払い戻しの件
“政治的運動”のに割り振られた組合費の一部を組合員の希望により、払い戻しできるようにする
案を、80%の賛成で可決した。
３ 2001年次支援会議の仕事
○ 学校安全のために雇用された者を訓練すること。
○ 学校事務が行商人と契約することを一概に排除するこのないようにすること。
４ 学校の安全性と低学力校の件
○ 低学力校とラベルを貼られた学校を改善する。
○ 安全で秩序のある学校にする。
○ 質の高い教育にするための再研修の方法をさぐる。
Ⅲ 標準テストには低い評価
NEAとAFTが連携して、標準テストのような“一か八かのテスト“”; high-stakes testing には低い評価
を与える。 すなわち、Bush大統領が提案している[3年生から8年生までのテスト]は、Massachusetts
のT.Cさんが話したように、[それは生徒の貧困のため、また違った生活スタイルや違った学習方式の生
徒に対して、打ちのめされるようなインパクトしか与えない]。
またこの種のテストは学習し進歩しようとすることを無視し、カリキュラムに悪い影響を与える。 芸術、
音楽、体育、保健教育を荒廃させ、結局、教員として“一か八かのテスト”に専念させるようになるだろう。
われわれは生徒の心と体のバランスのとれた全教育に責任をもたなければならない。
このことに関連して、『今年のアメリカの模範教員』に選ばれたVermont州の高校歴史教員のNichael
Formanさんもテストマニアの教員の例を引きながら｢どの生徒も点数以上のものを持っている。 その
生徒全体を評価しなければならない｣と語った。 ( 参考 この模範教員の制度は、50年前、Harry
Truman大統領が発足させたもの: the National Teacher of the Year )。
また彼女は教員免許の必要なことおよび、それを十分に証明されたことの必要性についても言及した。
Ⅳ チァーター・スクールについて
既に載せてある別稿50のとおり。 注意すべき点は、
○ 多くのチァーター・スクールは同質の生徒を取っていること。
○ 人種、経済的の弱者を差別していること。
○ ｢責任を果たすこと｣:Accoutability の定義が曖昧なこと。
○ 成功例もあるが、失敗例を検証すること。
○ 特に民間運営のチァーター・スクールに反対する。
Ⅴ 各国のゲストからの報告
低賃金、クラス環境の悪化、生徒の学習成績問題、私立学校化の傾向などが報告された。
【参考1】 国際関係担当のJoanne Eideさんから
○ すべての国際的な事項はEducation Internatioanl ( www.ei_ie.org ) が担当します。
○ 155国の309国際団体で組織されています。 日本からは日教祖(JTU) のみが加入しています。
【参考2】
○ 第３回Global Week of Action は2002. 4. 21 - 4. 27 テーマーは『自由な教育の権利』
○ 世界的な問題....... アフガニスタンにおけるUNICEFの支援の問題、 HVとAIDSの問題、
子供の労働、すべての子供を学校へ、の世界的キャンペーン、女性
差別廃止の国連会議など。
Ⅵ その他
１ 9000人の代議員が【独立記念日】に愛国歌を歌って祝った。
２ Los Angeles市長James Hahnさんの挨拶
放課後の教育、１クラスの生徒数、新しい地域のスクールに強い関心をもっている。また総てのコミュ
ニティで尊敬されるような学校を皆さんと一緒になって創りたい。
【コメント】 ご覧のとおり。 確かに、標準テストは古今東西を通じて難しい問題である。 ｢放課後の教育｣は
わが国の長所であろう。また｢地域で、皆で学校を｣にも注目したい。 なお、独立記念日に愛国歌
:patriotic songsを歌ったのも興味深い。わが国からは日教組以外の参加は考えられないので
あろうか。
2002年2月1日記 無断転載禁止
