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昭和 20年(1945) 8月、終戦の玉音放送を浅間の山中・陸軍の野営演習場で聞いた。齢未だ
少しく若く戦場には行かず( 行けず)訓練を受けていた最中であった。放送を聞いて暫く経って、
急に命が惜しくなったことを覚えている。人間なんて所詮そんなものであろう。 焼けて無い我が
家の跡に着いてから、同世代の人たちと同様に苦労をしながら日々を生き、また、わが国の再
建にも多少とも貢献してきたように思っている。
齢既に七十三、旧友のN君が寄稿してくれた『思い出』に [残駆天の赦すところ楽しまざるを如
何にせん]と独眼龍政宗の感慨を引用しているが、そのような心境にもなりつつある。それでも時
には、わが国のことについて、いろいろと考えることがある。 インターネットを始めたのもその為
であった。
すなわち約 4年前、あるアメリカ人から [日本人は諸外国から情報を一方的に取るだけで、外
国に向けて自分たちの意見や情報を発表しない] と非難めいたことをいわれた。 そこで義憤の
ようなものを覚え、また外国人に出来るだけ[わが国を正確に理解させたい]と考えて、インター
ネット上にホームページを開こうと決心した。
とはいっても、それまでワープロは触っていたがパソコンとなるとさっぱり。 しかし、よくしたもの
で、その志のようなことを幾つかのパソコン関係の店で、少しく声高に話していると技術的な協力
者が現れた。その後の経過は省略するが、とにかく Shoji Sugita's home page を持って、体罰、
職員会議、教員解雇などについて、わが国の事例やアメリカの判例などを比較しながら、それに
載せた。その多くは和文、英文の両方。
その最初から E-mail を通して、わが国内外から若干の反応があったが、もっと読ませてやろう
という欲が出てきて、次のようなPR文を作って、わが国内外の検索サーバーや教育関係機関など
に、それらのE-mailを利用して送り続けた。 最近はそれをやっていないが、約 3年前から取り始
めた アクセス・カウントは、この1999年7月末で 5万近くになってきている。
Shoji Sugita home page; http://www.aba.ne.jp/~sugita/
Corporal punishment, Teacher's conference, Teacher dismissals,
体罰、職員会議、教員解雇、日本人の宗教心、日本の歴史、
諺、ケベック、日本の勲章、教員採用試験、日本の将来、服装検査
Japanese religious mind, Japanese history, Japanese Orders
decorations, Quebec, Examination for service of teacher's.
School search and seizure, Japan in the future,
As you know,Japanese usually take a lot of documents from
the world wide webs, but give a few ones to the world.
It's not good on international problems, so I intended
to submit some documents to the world. Thank you.
Shoji Sugita(杉田 荘治)
ホームページの内容も、日系二世部隊、ポーツマス条約、停学判例などと少しづつ追加
して最近では、旧友の所信や体験談なども載せている。
ところでこれらについての意見や質問が非常に多い。 真面目な質問や意見が多いので、E-mail による質疑 ・ 応答
当方もまじめに答えているが、なにしろその数が多いので、正直少し困っていることも事実
である。 今後その数が余りにも多くなればe-mailを閉じることも検討しなければならないだ
ろう。 以下、最近のものを少し紹介しよう。。
1. 体罰と懲戒の違いについて ............. カナダ人、K.K.さんから ... (1998年12月) 両親は
日本人とのことである。
Q. 日本の学校で体罰ケースを目撃して疑問を持った。 体罰と懲戒とはどこが違いますか ?
A. わが国では、[ 懲戒は合法であるが、体罰は違法である] が実際にはこの区別は難しい。
杉田のホームページ 第2編をよく読んでください。 なお、文部省関係のハンドブックに
は次のように書かれています。
文部省初等中等教育局教務関係研究会:教務関係執務ハンドブック
「以上、要するに体罰とは、物理的行為によって身体に侵害を加える場合および生徒に
とって社会通念上許されない程度の肉体的苦 痛を生じさせるものである。ただし、身体に
侵害を加える行為がすべて体罰として禁止されるわけではない。傷害を与えない程度に軽
く 叩くような行為は、父兄が子供に対して懲戒として通常用いる方法であり、校長および教
員が単なる怒りに任せたものではない教育的配慮にもとづくものである限り、軽く叩くなど
の軽微な身体に対する侵害を加えることも事実上の懲戒として許される。つまり時には、叩
くことが最も効果的な教育方法である場合もあり、いわゆる「愛の鞭」として許される程度
の軽微な身体への行為ならば行っても差し支 えない。しかし、同時に心身の未発達な生徒の
人権の保護についてはあくまで慎重を期さねばならない。たとえ教育者としての愛情から出
た行為であっても傷害を与えるようなものではなくても、なるべく身体の侵害と受け取られる
ような行 為は避けるように努力することが望ましいといえよう。」
( Note ) K.K. さんの Message
I would like to ask your opinion on the differientation beween taibatsu and chokai. I
am a ALT in a small school in Hyogo on my second year and have witnessed twice what
would fall under Japan's a version of Corporal punishment. When I tried to do something,
I was met with a wall of opposition. My principal and BOE chairman are throwing this
chokai thing back at me. Everyone seemed more interested in shutting me up and getting
me to match my ideas with theirs. My parents are Japanese.I am Canadian.
2. 体罰関係ガイドブックの普及度について.........京都の国立 K大学、Kさんから .. 1998年9月
Q. 僕たちは K大学法律相談部のものです。 このたび、学園祭で体罰に関する模擬裁判を行
うにつき、貴方のホームページを見させて頂きました。体罰と懲戒についての日本の法令]の
中の 4. 文部省初等中等局教務関係研究会 : 教務関係執務ハンドブック というのがありまし
たが、そのハンドブックなるものが、どれほど現場に普及しているか、どのような形で普及し
ているか、法務府長官通達 と同じような正式見解性があるのか知りたくてメールを送らさせ
ていただきました。
A. それは関係研究会担当者に尋ねてください。 しかし、私の経験では余り普及 (徹底)してい
なかったように思います。[註: このハンドブックについての杉田の見解は後編で述べている]
3. 体罰についての意見 .......... ミシガン州のD. F. さんから ...... 1998年8月
Q. 私は 26年間、生徒を叩いたり殴ったりしたことはありません。 ミシガン州では体罰禁止です。
その代わりに 1- 2日間、他の生徒と切り離して静かに勉強させる措置をとっています。
A. それは良い方法です。 杉田のホームページにもオールタナティブとして関連の記述がありま
す。
【 註 】 1.オールタナティブ(体罰に代わるべき方法)
教員と生徒との心の交流、動機づけ、やさしく口頭で叱責すること、ほめ言葉を頻繁に
使うこと現職教育、校内停学施設、学校職員、 親、生徒との協力体制などがある。
【原文の一部】 In Michigan it is against state Department of Education policy to administer
corporal punishment in a public school. In twenty-six years of teaching I have not spanked
or struck a student as punishment. Instead we use ' time out ' ( isolation ) freqently, either
sending the student out of the classroom or giving him (her) a day or two in a separate
room.....
4. ソールでの交換学生としての経験 ........ アメリカ人・E.G さんから ....... 1998年7月
Q. ソールの高校では、体罰は日常的なことであった。 私も打たれた。 ある時、ある生徒が大きな
杖で背中、(臀部ではない) を打たれているのを見て私は大変、怒こり、脊椎にずっと損傷が残る
と校長に抗議した。その後は、そのようなことは、見なかったが。
A. あなたのメッセージは読みました。 体罰は余程慎重でなければなりません。
【原文の一部】 I have a special interest in this are because I was a high school exchange
student from the USA to Seoul, Koera in 1966 - 67. While in high school in Seoul, corporal
punishment was a daily issue. In fact, I too was hit after a few months when I was no longer
a special guest. At one point , I became so infuriated when a teacher hit a student with a
large stick on the student's back (not buttocks).I complained to the principal about possible
permanent damage to the student 's spine. I never saw that again after that.
5. 体罰記事の感想 ....... アメリカ人・Q.L.さんから ....... 1998年7月
Q. 杉田さんの体罰関係記事には感心しています。
【原文の一部】 Thank you for the web site ! Your research on corporal punishment in the US
and Japan is wonderful information. Best wshes !
6. 杉田の記事の利用 ..... ワシントン州中学校教員・C.C.さんから ...... 1998年7月
Q, 貴ホームページは懲戒について参考になります。 来年の学習指導に利用するつものです。
【原文の一部】 Thank you for URL.. I was interested in your views on punishment. I teach 8th
grade U.S.History and do some assignments on our laws. Your information will be given
to my students next year.
7. 資料の利用について ....... 名古屋市のT.Y.さんから ........ 1998年7月
Q. この度インターネットを検索して、あなたのホームページを見つけました。 私の学校での職員
向けの校内研修に資料として使用しいと思います。 「いじめ」 「不登校」 「体罰」 「学級崩壊」等、
現在の教育現場には課題が山積しています。 それらを克服するための職員研修として、非常
に価値が高いと考えます。 校内だけに限定しての無償使用を、許諾いただけないでしょうか。
A. どうぞ。 また日頃はご苦労さまです。
8. 体罰は必要との意見 ....... アメリカ人・J.さんから ...... 1998年7月
Q. 体罰は良い大人に成長させるためにも必要かもしれません。
A. 一つの有力な意見です。また多角的に懲戒を考えることも必要でしょう。
【原文の一部】 Caning might be necessary sometimes. Especially for boys, spanking on the
botton shoud work. Little boys have to learn to be men. If they fail to, they might end
up being homesexual. They really need affection from older males to facilitate
reinforcement to know what is the accepted behaviour. Thereare always some boys who
have to learn it the hard way.
9. 体罰した、といわれています。...... A県の高校教員から ...... 1998年9月
Q. いきなり不躾なメールをお許し下さい。 私は ○県の高校教員をしています。 私は先般、教室
へ行こうとしない生徒の腕を引っ張って、いすから引きずりおろしたところ、生徒が体罰を受け
たと親に報告し、校長から親に謝罪をするように要求されました。 親は、教育委員会に報告
し処分してもらうなどと言っています。 ....... 私は職務遂行上全く間違ったことをしていないと
信じていますし、生徒は怪我したといっていますが、日常生活の上で何も支障はありません。
しかし、その生徒は精神的にダメージを受けたと主張し、登校拒否となり、精神科にかかっ
て診断書を親が持ってきて私の前に突きつけました。 私はいっさい謝罪する気持ちはありま
せんが、私が謝罪しないことで何らかの処分を下せるものなのでしょうか。 先生のアドレスは
ホームページ上で知りました。 わらをもつかむつもりで、先生にメールを送ります。 ....
A. その時の状況や、とった行動を正確に校長、教頭、生徒指導の先生に話される事が大切です。
また他の生徒がどのように見ていたかも含めて。 引きずりおろしたことは、まずいことです。
非は非とし認めなければならないでしょう。 その生徒の日ごろの様子も含めて、よく関係者と
相談してください。
[付記] 2000年7月に載せた第25編を参照してください。 そこにはー 騒ぎをしずめたり、暴
力行為を排除するなどのために、学校の教職員が、力を行使することは、体罰ではな
い ーなどについて述べてある。
1999年8月 記 ・ 次へ続く ...... U 校内暴力などに関するもの、V 教員採用に関するもの