English version is here.
- 暴力行為排除のための力の行使は、体罰ではない。
この点について法禁とされる体罰と混同するなど、わが国では誤解がある。
Pennsylvania州教育委員会規則など多くの規則から学ぶべきである。
- 体罰の理論的根拠は"親がわり"論と州または国の教育的利益である。
このことは、インタ−ネット上からの資料からも理解することができるが、判例
のほうが、より明確で
- あろう。 すなわち多くの判例は、"親がわり"に拠りながら、同時に公立学校の教育という州や国の
- 教育的利益を時には、優越させな がら、教員、学校側の懲戒権限を認めている。
体罰の是非も、この点から検討されるべき事項であるが、わが国ではこの点を曖昧なままに残して
- いる。
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- 体罰と停学
オ-ルタナティブでも見たように 体罰反対の親の権利を認めて、体罰を実施し
ないかわりに、その
- 代替として停学にするものがある。 懲戒の公平性からも 考慮に値いしようし、また校内停学施設・
- 教室についても"いじめ"の問題に も関連して検討される必要もあろう。
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- 体罰実施は懲戒の一種の儀式とも考えられる。
体罰容認の教育区などでは、教科担任と校長などの体罰実施権者とが分離されていたり、また立
- 会人を置くなど一定の時間、一定の適法手続きが必要とされる。 公正さ、慎重さなどメリットは多
- いが、同時に間を置きすぎるため、パンと一発くらって終了とはならず、かえって生徒には酷であ
- るという意見もある。 また、その体罰の程度は相当な程度が妥当であるとと考えられる。
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- ガイドライン
各国のガイドラインは参考になる。
また、 先に日本の関係法令でも述べたように、わが国の初中局教務関係研究会「教務関係執務
- ハンドブック」の見解が妥当であると考える。ただし、最後の節はカットされたほうがよい。なぜな
- らば、その文言のために、かえって趣旨を曖昧にするからである。判例もこれらのガイドラインを
- 参考にしているように思われる。
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- 今後
体罰は世界的には、減少する傾向にあろうし、またその方法、道具、適法手続き、校内停学など
- のオ−ルタナティ ブその他を含めて、より慎重なものになろう。 しかしながら、体罰禁止に踏み
- 切ったところ、かえってクラスの環境が悪化したり、また良き市民、良き国民を育てるという教育
- の使命からして、州や国の教育的利益を念頭に置きながら、時には揺り戻しを繰り返しつつ、減
- 少の方向に進むものと思われる。
1995年7月記 無断転載禁止