坂井 旦史さんのページ




 【 註 】 坂井 旦史( さかい あさふみ)さんは、1926 ( 大正 15 )年生まれ。 1951 ( 昭和 26 )年より
   1993 ( 平成 5 )年までの42年間、火力原子力発電所の機械設備の建設・保修に一貫して従
   事された。 関連の記事は『 偕行』等に屡、掲載されている。 熱管理士、技術士【機械部門】
   保持者。 現在、名古屋市緑区に在住。

T 『 感動を共有し、自立を 』
 御蔭様で在職 42年間の[ エネルギー ] 関係の第一線での学習体験を退職後も私なりに関
係資料の収集・整理等を実施する、ささやかな勉強をさせて戴いているのが昨今であります。
 一方、寝言にも“ 南無阿弥陀仏” を唱えておりました祖父の姿を見ておりまして、自然に浄
土真宗の教えを大事にして参りました。 従って、現在も月 二回の仏典の御話を拝聴させて
戴いております。 然し乍ら、宗教界も時代の大きな流れの中では、中々その良さが発揮され
ず残念に思います。〔 未だに「オーム」真理教を「 リード」出来ない事等〕
 学問仏教は明治以降、近代仏教学が展開され、日本の仏教界は世界の中心になっているこ
とは事実のようですが、仏教学は盛んであるが、仏教はさにあらずと、慨嘆されているのが
現状かと考えます。生活仏教、宗派仏教は誠に盛んでありますが、人生仏教 ( 生死仏教 )が
宗派を超えて普及されない限り中々多くの理解を得られないと私自身は考えております。
仏教者の在り方の問題でしょうか。
 仏教の目的は、個人的には生死の問題を超克し、心を安んじて真の幸福を得ることかと、
今は理解しております。 仏教の基本 = “ 自己凝視 ”については、相田光男さんの “ 幸は
何時も自分の心が決める ”との言葉を噛みしめております。
現在の日本で一番の課題は、自由と秩序の[ バランス ]が余りにも悪く、前進の為の足を引
張っている事態が多過ぎることかと思います。 殊に国の将来を左右する問題は、正しく評価
する機関も必要かと感じます。 自由というよりも利己的主張、行動が多過ぎて、真の民主主
義は程遠いと感じます。
 今、最も大切な前進の為に必要な改革とは、残すべきより大切なものの発見と、その為の
手立ては、自立、伝統、条理 [ 筋道] であると信じます。 その為に良識ある多くの日本の
人々が冷静さを常にもって、祖国と同胞の為に、相共に感激をもって、微力を尽くしたいもの
です。
..1999年(平成 11). 7月寄稿 ..