格闘遊戯歴史的考察

〜初まりに代えて〜

 格ゲー、人間同士がゲームのキャラで闘い合うというコンセプトを 確立したのはカプコンの“ストリートファイターII”からと記憶している。 いやもう、“アーバンチャンピオン”とかも一応対戦だし、 “ダブルドラゴン”だって2人協力プレーだけど最後は戦い合うけどね。 でも、てんで個性的なキャラがタイトでシビアな技の応酬を掛け合うと言うのは ストIIが最初だと、勝手に思ってる。

 なんせ、現在ある格ゲーの根幹…設定、技等々はストIIの時点で大体 出そろってしまっている。熱血の主人公、中華な美人、謎の秘密結社のボスに 更に謎な相撲取りやヨガ男…正統派からイロモノまで個性的なキャラクター、 当然その技も見所。コマンド入力やキャンセル、ガード等も既に出そろってんだわな。

 これに、SNKの“餓狼伝説”が殴り込みをかけた。 コンセプトは既にストII以前より合ったんだけど、ストIIに負けじと “餓狼伝説2”で頑張った。更に頑張ったのは“龍虎の拳”、これで 格ゲー初“乱舞系”のコマンドが追加された。

 で、吃驚してたらセガが“バーチャファイター”を出しおった。 初の3Dポリゴンな格ゲーである。今となったらかなり荒いけど滑らかな動き、 リアルな技、そして結構シビアな当たり判定。3Dの世界が広がった。

 この頃から技の連発、隠れキャラや入れにくいコマンドなど問題が出てきはじめた。 ま、売れれば真似るのがこの業界の常識。でもストIIシリーズや餓狼、KOFシリーズはやり過ぎた。 評価出来るのは“サムライスピリッツ”で武器を得て、“バンパイアハンター”で人間から開き直った事かもしれない。 すでにストIIシリーズは人間越えてたからねぇ…。餓狼も然り。

 で、そんな中でタイトーの“サイキックフォース”はすっかり開き直ってた。 舞台は近未来、主人公達は超能力者(&サイボーグ)、魅力的な過去を背負い 闘い続ける彼ら…そして立体的な空間設定、具現化した超能力など SF物や超能力物好きには唾れの出るような設定だった。

 でも、普通の格ゲー好きには余り評判良くなかった。どっちかと言うと シューティングな要素強かったし、今までの格ゲーのスタイルとはぜんぜん違ってたからね。 お陰でサイキ好きはサイキ好きのカテゴリーに甘んじた。ま、いいんだけど。

 で、続編が出れば出るほど苦しくなっていくのはどこの業界も一緒。 コマンドが複雑になり、駆け引きが激しくなるにつれて初心者と熟練者の差は 激しくなる一方になる。と、対戦が売りなのに対戦の意味が無くなってしまう。 初心者がどんなに頑張っても熟練者…いや、技やコンボを知ってる人間と言うべきか。 勝てないんだもん、絶対。ただでさえ訳分かんないのに。

 ついていくのが昔からのマニアだけになると、業界自体が新しくなれなくなる。 ゲームって新しい業界だけど、もう固定化してる企業って多いんだよね… 新しい魅力がないもんだから古い物を小売りして行く…ファンは居るから適当に売れる… 今までのファンを失う危険を犯すだけの勇気がない…そういう感じを受ける事もあります。

 で、キャラの魅力だけで売りに走ったりとか、技を派手にしてバランス崩れたりとか、 結構色々合ったんだけど、最近バランスがまた取れてきたようで嬉しいですな。 そんな時に…というか二年かかったけど“サイキックフォース2012”が稼動されます。 舞台と同じだけ前作と時間進んでるよ(苦笑)。かなり凝ってますね、 時間を掛けただけあるし、さすがプロの仕事!と思わせます。 更に濃くなったキャラと背景世界、そして魅力ある技と技の駆け引き… ただ、追加された事が多いので初心者でも安心かどうかは疑問です(汗)。

 ストIIEX2、ストIIがポリゴンになっただけですが、かなり奇麗で良い感じでした。 格ゲーが盛り返す転換期に入ってるかもしれません。こんな中でサイキックフォースとそのファン達が どう頑張るのか、どう成長するのかが見所だと思います。

 ゲーム業界自体、マニアや同人者で持つようになったら、終りって思ってるんだ、おいら。 フツウノヒトでもゲーセン行って、適当に遊んで…って時代になったら良いなって思っている。 決して特殊空間じゃなくて…ほら、ディズニーランドとかと一緒だな。 そういう所でも格ゲーが楽しめる世の中に、成ったら良いな、とか思った。


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おおさまぐれねーど
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