兎と亀
(語り手)
- 昔々ある所に、兎と亀が住んでいました♪
(兎)
- ♪うーさぎうさぎー何見て跳ねる〜
(亀)
- ♪ここは〜お国を何百里〜
- 兎は水陸両用の亀にジェラシーを抱いていました♪
でも、直接戦っても負けるのでいつしかギャフンと言わせようと思っていました。
そのためには手段を選びません。
- ふっふっふ、旦那ぁ、これでお願いしやすぜ。
(暗殺者)
- 私の弓は百発百中…報酬はスイス銀行に入れてくれ。
- 賢明な読者の皆様はお分かりかと思いますが、アーマー属性を持つ
アスピドにケンタウロスの弓は無効です♪
- 駄目か…やはり直接対決するしかない様だな…。
- 兎は自分の機動性を生かして競争で決着をつける事にしました♪
ゴールは山の麓の一本杉までです。
(一本杉)
- うぎょぎょぎょぎょぎょぎょ…
- 待ってくれ、それではどう考えてもわしの方が不利じゃ。
少々ハンディを頂けないだろうか?
- 亀はハンディとして兎よりも前からスタートする事にしました♪
兎は余裕をもって許可しました♪
(審判)
- 位置について〜よーい、どん!
- 審判の上げる高らかな爆音とともに兎と亀はスタートしました♪
実況は私ミルプエンジェル、解説はグラムがお伝えします。
(解説)
- よろしくお願いします。
- では、1カメさん今の状況をお願いします。
(1カメ)
- ハイ、1カメです。現在亀が第一コーナーを回った所、兎はハンディの分それを追う形になっています。
亀、どんどん逃げますが兎疾い!どんどん追いつきます、しかしその分亀も前進する事になって
兎は亀を追い続けます。
- はっはっはっは、私のォォォォォォォ速さはァァァァァァァ世界一ィィィィィィ!!
- ♪しーあわせは歩いちゃ来ない、だから走っていくんだね♪
1日一歩3日で三歩、三歩進んじゃ二歩下がる〜
- おや、アスピド余裕です。おや?激しく兎が追い上げるのに
亀が居た所に兎が到着した次点で既に亀は前進しています。
兎はまた前進して亀が居た所まで行きますが既に亀はその場所から移動しています…。
- 何故だ…何故追いつけない…
- 無限級数の問題ですね。これは解析学の知識が無いと解けない問題です。
- と、言いますと?
- 亀の溢れる知識がロジカルな世界を展開し、ある種の数的魔術の結界を構築しているのです。
この問題を解かない事にはゴールまで兎は亀を追い抜く事が出来ないでしょう。
- これぞ孔明の流れを汲む奇門遁甲“おぼろ影”!
魔闘気によって歪んだ空間では自らの位置すら知る事が出来まい!
- 亀さん、全然違う事をおっしゃってる気がするのですが…(^^;
- 経験科学と理論科学は必ずしも同じ流れを汲むとは限りません。
- はぁ…そんなものですか…(^^;
おや?1カメさんから情報ですよ?おおっと、兎、どんどん亀に近づいていき…抜きました!
- 何ぃっ!もしや波紋の一族!
- 兎さん抜きましたね…どうしたのでしょうか?1カメさん何か分かりませんか?
- ハイ、1カメです。
先程からの兎の呟きが録音されていますのでそちらの方をお聞き下さい。
- ………赤とんぼ…赤とんぼーの羽根を取ったら油虫…………
- 何ぃっ!“永久回帰”っ!永久回帰を操るとは…
- え?(^^;
- その他、「切っても切っても金太郎」や「郭公(かっこう)」の輪唱など
を行っていました。
- えーっとあの、おっしゃる意味が分からないのですが…
- つまり、亀が創り出す数的魔術障壁に兎も別の障壁を創り出す事で緩和させ、
通常の時空間に戻した…と言う訳です。
- はぁ、とりあえず、兎が快調に飛ばしています。もう少しでゴールです!
- べーし!!
- ぎゃん(@@)
- おおっとここでアクシデント!兎選手、一本杉の攻撃を受けてリタイアです!
- にやり
- 亀選手、兎選手攻撃された隙に一本杉に到着。すぐさま池に逃げ込みます。
- これなら一本杉も攻撃出来ませんね。
- そんなこんなで、結局亀の優勝、兎は苦汁を舐め続ける事になりました♪
めでたしめでたし♪
- どくどくどくどく…
- うぎゃぁ…放せぇ…俺は触手とやる趣味は無ぁーい(;;)
- 教訓、マニアすぎるっちゅーに、わからせんっちゅーに。
小ネタ衆の時間へ
破壊の大帝ぐれねーどへ