書籍版出版おめでとうございます!

『書籍『光のお父さん』公式サイト』

破壊の大帝:
……お美事にございまする。

LM仮面:
2017年3月16日からの順次発送で、18日に書籍版を入手した大帝さんですが、先程からずっとこんな感じです(笑

破壊の大帝:
いや実は、書籍版が待ちきれなくて、Kindle版買って書籍版が来るまで3回読み込んだ。

LM仮面:
……それ、ちょっと粘着じみて引きますよ?

破壊の大帝:
まぁ、その上で書籍版を入手して…… Kindle版、だいぶレイアウト崩れるんだね……

LM仮面:
んー、確かにブログ風の文字組みですから、改行箇所や文字の大きさの違いで、印象変わりますね。
しかし、表示文字の大きさ変えられるのは利点だとは思いますけど。

破壊の大帝:
どっちか片方ーってなら、やっぱり書籍版オススメかな……
後さ、ゲームのスクリーンショットって「光源」がそのまま光ってる感じで若干目に厳しい。

LM仮面:
まぁ、そこは人それぞれで……
って、どうも本題入るの避けていませんか?

破壊の大帝:
正直言って、書くのが難しいー(笑
というのも「本自体の凄さ」と「この本が与える影響の大きさ」の2つあるのよ。

LM仮面:
? どういうことでしょう?

破壊の大帝:
「本自体の凄さ」でも色々あるんだよな…… でもひとつづつ切り崩していこうか。
まずね、一冊の本としての、構成が美しい。

LM仮面:
章立てだったりですか?

破壊の大帝:
うん。その辺、表にまとめてみたんだけど、どうかな?

タイトル 内容 ページ数 起承転結 序破急 内容
- - 「光のお父さん計画」のそもそもの発端について 2 - - -
序章 エオルゼアという世界 オンラインゲーム、FF14、マイディーさんご自身の説明 6 - - -
第一章 光のお父さんがエオルゼアにやってきた 「光のお父さん計画」開始。お父さん、インディを作成 6 スタートライン編
第二章 光のお父さんは全力で走った 遠巻きに接触を図るも失敗。つい助けに入るも逃げられてしまう 16
第三章 光のお父さんは振り返らない ララフェル作戦を実施、無反応。キーボードが無いことに気づく 22
第四章 光のお父さんは 再び立ち上がった マイディーさん実家に戻り半袖事件発覚。お父さん復帰 20
第五章 光のお父さんはサスタシャを目指した 初パーティープレイ。が、マイディーさんだけハブられる事案発生 18 FF14エンジョイ編
第六章 光のお父さんはこの世界の大切なものに触れた 初蛮神戦。きりんちゃん登場。じょびハウスで仲間たちと接する 22
第七章 光のお父さんはギスギスに触れた ガルーダ戦。イラつくインディさん。励ますきりんちゃん 18
第八章 光のお父さんは旅に疲れてきた インディさんとマイディーさん、揃って釣りをする 16
第九章 光のお父さんはエオルゼアの危機を救った メインクエストをクリアしたお父さん。マイディーさんは告白をすべきかを迷う 14 クライマックス編
第十章 光のお父さんは決意した 強タイタン戦。息子ナビが使えない。ツインタニアへの挑戦を決意 42
第十一章 光のお父さんは大縄跳びを飛んだ ツインタニアへの挑戦と挫折、そして起死回生の一手 50
第十二章 光のお父さんは・・・ (ネタバレになるので省略) 28
- あとがき 謝辞とその後 3 - - -

LM仮面:
(ほんとに偏執症ですよね……)

破壊の大帝:
対応しているブログ版の章とリンク貼ろうと思ったけど、流石に辞めた。

LM仮面:
……えーっと、どう見ればいいでしょうか?

破壊の大帝:
まずね、ほとんどの章が
1)回想パート
2)「今」のやり取り
3)回想の回収
という構造を取っている。

LM仮面:
確かにそうですね。あーそういえば……「回想パート」といえば……

破壊の大帝:
『光のぴぃさん』の第8話 「それは今までに無い まったく新しい形になった。」でしれっと触れられているけど、理解るかな?
ブログ版は必ずしもこの構造を取っていないんだよ。
それは、そもそもは、「光のお父さん計画」はTwitter実況の報告だったんだよ!

LM仮面:
な、なんだってー(お約束

破壊の大帝:
流石にTwitterのログまで確認してないけどね(汗
で、その反響と期待にマイディーさんが応えている内に、だんだんブレッシュアップされていった。
これが、単に「Twitter実況まとめ」で、それだけだったのであれば、ぴぃさんが感動して動いたりしなかっただろうね……

LM仮面:
なるほど……ブレッシュアップしきった形で章を焼き直しているわけですね。

破壊の大帝:
一旦完全に脱線するけど、この「記して残す」「残されたものに共感する」、これこそ文化だと思わないか?

LM仮面:
話大きくなりすぎる気がするので、戻ってください。

破壊の大帝:
はい(汗
で、大きな構造として、序章とあとがきは除くけど、3パートに分けられる。

序:「光のお父さん計画」がスタートラインにたどり着くまで。
破:インディさんがFF14(オンラインゲームの世界)に触れ、世界を知っていくまで。
急:ツインタニアを攻略し、大円団に繋がるまで

LM仮面:
ああ、きれいに分かれますね。

破壊の大帝:
ちゃうねん。

LM仮面:
え?

破壊の大帝:
ブログ版は、ある意味原石なのよ。それをどの角度でどれだけカッティングすればキレイに輝くか、
考えに考えられた上でのまとめ方だと思うのよ。ちょっと構造とか知ってる人が見れば直ぐ理解るぐらい磨ききってるのよ。
どんだけかと。

LM仮面:
なるほど、書籍版から見れば自明ですが、それはブログ版から周到に汲み取られたが故、なのですね。

破壊の大帝:
うん。だからだと思うけど書籍版はブログ版より「父との関係」に焦点が当たっているよね。
普遍的なテーマだから、それだけ多くの読者層が見込めるからだろうけど。
テーマに沿う話は補強されるし、そうでないものは削られる。そうしないと漫然としちゃうからね。

LM仮面:
ネタをあるだけ突っ込めば良い、というわけには行かないのですね。

破壊の大帝:
はい、ここで説明のために脱線します。
多分、日常的にネット使ってる人は、ノイズ耐性高いと思うんだ。

LM仮面:
ノイズ……と言いますと?

破壊の大帝:
ちょうど削られちゃったエピソードだけど、お父さんがチャットで「ほむほむってなんですか?」って聴く話
ここでマイディーさんが止めなかったら、気にになる言葉全部聴いてまわってた、と思うのよ。

LM仮面:
んー、それは、その世界に慣れようとする努力の表れでは?

破壊の大帝:
逆に、ネットやチャット使ってる場合、知らない言葉あったらいちいち調べる?

LM仮面:
ああ、それは場合によりますね…… その匙加減ってことでしょうか?

破壊の大帝:
慣れてる人は無意識に選択できてんのよね。知らないネタ(おそらく笑わせに来ている)が分からなくても別にいい人が大半だと思うけど、
わからないネタが有ると、普段意識しない「自分の知らない世界」がいきなり広がって飲み込みにくるんじゃないかと不安になる人もいる。
この辺、この本自体がすごく気を使っている書かれているよ。

LM仮面:
より一般的な言葉に直したり、でしょうか?

破壊の大帝:
FC:じょびネッツアの人の名前が出てこないな……っと思っていたのだけど、それこそ「井上」問題で、
普通の人はゲームっぽい名前は頭に入らなくて混乱する……から削っている、という説。

LM仮面:
あー……それはあるかもですね。

破壊の大帝:
逆に、「絶対にコレ必殺技だ!」って理解る(理解れ)“リミットブレイク”には特に説明無いしね。

LM仮面:
ああ…… 発動条件もナシですね。

破壊の大帝:
話の流れを折らないよう気をつけながらネタ入れてるんだよ……
それでいて単調にならないよう、例えば9章なんか食卓での会話になってるじゃん。
整合性を保ちながら書き直していくって非常に気を使う作業だから、これだけでもう、尊敬に値する。

LM仮面:
褒め殺しが始まりましたね(笑

破壊の大帝:
……なので話戻すけど(笑)、序破急がそれぞれ起承転結になるよう、章ごと再構成されている。
これで、全体から見ても話の流れがバランスよく綺麗に収まる……いや、収めることが出来る。

LM仮面:
それで、本筋ではない攻略の細かい所などは省かれているわけですね。

破壊の大帝:
あくまで「一冊の本として」が重要だからね。ドラマ版『光のお父さん』の原作なんだから。

LM仮面:
あ、そうでしたね……

破壊の大帝:
でも、やっぱり一度作った部分って削りたくないものなのよ。
それを「より良くするため」「プロジェクトを成功させるため」「ネットゲームの地位向上のため」などなどで
ひとえにやり遂げたマイディーさんが、ほんとに凄いのです。
この一冊、その成果で「一般には知られていない世界のブログ」の単行本化という点で、お手本と言っても過言ではないと思うのですよ。

LM仮面:
と言うより、前代未聞ですもんね。

破壊の大帝:
そうそう、そのへんが「この本が与える影響の大きさ」。

LM仮面:
新たに切り開いた点、ということでしょうか?

破壊の大帝:
とりあえず、FF14、人増えるじゃん。というか、今も増えてる。私も含めて。

LM仮面:
……と言うより、ブログで連載されている頃からですよね。呼び水に成っているの。

破壊の大帝:
これでドラマ始まったらどうなるよ。人が増えれば、ネットゲームに対する世間様の視線も変わってくるだろうし。
……というのが、普通の見方ね。

LM仮面:
おや?

破壊の大帝:
さっきも触れたけど、「ブログの書籍化の見本」という点で成功すれば、続いていくと思うのです。
他の、一般には知られていないけど、カリスマ的なブログとか……

LM仮面:
ああ、ネットゲームに限らない話ですね。

破壊の大帝:
世の中こう、流れがあるのよ。去年の邦画が『シン・ゴジラ』と『君の名は。』『この世界の片隅に』が衆目を集めるという、今までにない流れが顕在化した。
今、『光のお父さん』はその流れの中にある。

LM仮面:
ちょっと眉唾な感じですね。

破壊の大帝:
いや、ホント。書籍の流れに一石を投じてる。でも多分、暫くしてからじゃないと分からないんだろうけどね。
でもさ、私、『光のお父さん』を読んで最初に思ったの、「これ、訳せる」だもん。

LM仮面:
話飛びましたね。

破壊の大帝:
私が気づくぐらいだから、動いてそうな気はするけど……

LM仮面:
まぁ、そのへんは今後の展開に注視していくしかありませんよ。

破壊の大帝:
実のところ、小ネタについても突っ込みたいのだけど、それこそ煩瑣でしかないのでこの辺で終わらせたい。

LM仮面:
言葉がなくなってきましたか?

破壊の大帝:
うん、もう、自分の表現力の限界を感じた(汗
マイディーさんがこの作品を世に出した、その時代に立ち会えたことにもう、感謝。圧倒的感謝。
勿論、マイディーさんにも、感謝。


破壊の大帝ぐれねーどへ