雑記:『Final Fantasy:The Spirits Within』と『Final Fantasy VII:Advent Children』

破壊の大帝:
はい、「破壊の大帝ぐれねーど」をご覧の皆様おはこんばんちは! みんな大好き破壊の大帝さんですよー!?

LM仮面:
バーチャルユーチューバーみたいな開始しないでください(笑

破壊の大帝:
っと云うのもだねー。今回テンション上げないと辛いんだわ。
今回のネタはこちら! 2001年公開の映画『ファイナルファンタジー:スピリッツウィズイン』!

LM仮面:
……あ…… スクエアが社運をかけて傾いた作品ですね……

破壊の大帝:
負債総額130億とも言われてるね……
同じ頃、出版系のお家騒動で業績が悪化していたエニックスとのまさかの合併の原因とも言われている。

LM仮面:
他にあるんでしたっけ? 理由。

破壊の大帝:
無いわけでもないけど、まぁ今回は触れない。
いや、ホントは吉Pさんの『吉田の日々赤裸々』からネタ拾っていこうと思ってたのだけど、
それにはスクエニ……というかスクエアの昔話も要るかなーとか思ってさ。

LM仮面:
いい機会だからやっておこうと?

破壊の大帝:
Amazonの在庫も失くなってきてたのでポチッといた。

LM仮面:
わざわざ購入したわけですね……

破壊の大帝:
前置き長くなったけど、そんな感じ。
何より、やっぱり現物見ないと評価できないからね。
ちゃんと吹き替えじゃなくて映画館でやってた字幕版で見たわけですよ。

LM仮面:
それで、いかがでしたか?

破壊の大帝:
……どうして日本人って、投資の引き際を知らないかね。

LM仮面:
……(汗

破壊の大帝:
端的に言えば「残念」以外の何物でもないのだけど、汲み取れるものは結構あると思うんだ。
とりあえずその辺掘り下げていくわけだけどさ。2本の軸で大失敗なんだよな……

LM仮面:
点ではなくて軸ですか?

破壊の大帝:
複雑に絡み合ってるんだよね。
一つは恐らくご新規さんを想定したために起きた「FFらしさのなさ」というシナリオや演出、脚本の軸。
もう一つは、せっかくのフルCGがほとんど生かされていない映像の軸。
ちなみに楽曲も残念なのだけど、触れるだけめんどいから「FFらしさのなさ」に含みますよ。

LM仮面:
……FFらしくないですか?

破壊の大帝:
困ったことに、総指揮をFFの生みの親である坂口さんがやってるんだよね……。
彼が「これがFFだ!」って云うならFFなのだろうけど……
コレがFFなら、私はあなたを倒さねばならない(血涙

LM仮面:
いやいやいや……

破壊の大帝:
ストーリーを追おうと思ったのだけど、冗長になるだけだからWikipediaでも見てもらったほうがいいかな。
なにせ地球の近未来を描いているのでこの時点でアレなのだけど、FFらしい用語が出てこない。博士の名前がシドぐらい。

LM仮面:
……どうしてソコだけ寄せた、って感じですね……

破壊の大帝:
先もちょっと触れたけど、楽曲もFFを踏襲してないのよね。ラストシーンでプレリュードでも使っていれば無理やり寄せられたのだろうけど……
何故かエンドロールはL'Arc〜en〜Cielの楽曲なのですよ。

LM仮面:
……待ってください? アメリカ先行公開で、日本でも字幕公開だったのですよね?

破壊の大帝:
コレがわからない。
設定的にみるとFFVIIの魔晄……ライフストリームがキーになるんだけど、FFを通しての設定かと言うとそうじゃないじゃん。
で、近未来にしたおかげでFFらしいジョブとかクラスとかも出来ない。人間が普通に人間なのよね。

LM仮面:
例えば「ジャンプ」ができないわけですね(笑

破壊の大帝:
FFVIIはその魔晄で強化人間を……ってクラウド自身がそうだから多少の無理も効くわけですよ。
で、映像の話に絡むのだけど、結局銃撃戦しか出来ないわけですわ。ちなみに「敵」に触れられると人は死ぬ設定。

LM仮面:
なるほど、フルCGを活かした派手な戦いがそもそもやりようがないのですね。

破壊の大帝:
更にイカンのは、カメラに変化がないのよね。わざわざCGにしなくても撮れるんじゃね? って画しかない。
フルCGの利点は物理的なカメラを無視してグリグリ動けるところなんだけど……「光のお父さん」の2話の廊下のシーンのほうが長回しだよ(笑

LM仮面:
荷台にカメラ載せたんでしたっけ? 工夫が大事ですね。

破壊の大帝:
そういう工夫がない、というか出来ないんだよね。「敵」だって特撮でいけるやん? って感じなのよ。
「CG」はあくまで表現のための手段であっって、「フルCGで作る」という目標でやっちゃった感じなのよね……

LM仮面:
そのフルCGも、良さが活かせて無いのですね……

破壊の大帝:
んー多分、ここでシナリオの話に戻るのだけど、結構「及第点」なのよね。脚本とか展開的には。

LM仮面:
と、言いますと?

破壊の大帝:
最初は夢から始まって、目覚めると宇宙、そこから廃墟となった都市に降り立ち……で、仲間がでたり悪役がでたりとか。
教科書的と言えばいいかもね。「映画の撮り方」をそのままやるとこうなるよな、って感じなのよ。

LM仮面:
破綻してない、ってことですかね?

破壊の大帝:
逆に突き抜けた点が無いのが悲しいところだけど(笑
んーで、ここからがいつもの妄想なのだけど、多分、作り方間違えたんじゃないかな、と。

LM仮面:
お、ようやく得意分野ですね。

破壊の大帝:
そもそも映画って脚本があってもその場のアドリブとかもっといいシーン思いついた!とかで変更があるわけですよ。
で、撮った後のシーンを編集して切ったり貼ったりして一つの作品に紡ぎ上げる、ここらへんは良いかな?

LM仮面:
ロケハンしたり役者さんや美術さん等、多くの人の手を経て、ですね。

破壊の大帝:
大事な指摘ありがとう。
でも、CGだとアニメと一緒で脚本から絵コンテ起こしてソコに落とし込む感じになる……のかな。
本作って公開までに5年かかってて、そこで発生したお金がエラいことに成ったのよ。

LM仮面:
つまり、ずっと調整していた可能性があると。

破壊の大帝:
CGだと、一旦作ったものに対してカメラはいかようにもなるけど、ちょっとタイミングをずらすとかなると、
他のキャラの視線とかもそれこそイチから作り直しにもなりかねない諸刃の剣だからね。
なので、造りながらFFらしさ、CGらしさを練り込んでいく予定だったのがそうは行かず。
「とりあえず形にしろ!」って成っちゃったんじゃないかな、と。

LM仮面:
なるほど、途中だったものを整合性の取れるように削ぎ落とした……とも考えられますね。

破壊の大帝:
そうして出来たものが……確かに映画としては及第点ではあるのだけど……タイトルが『ライフストリーム』でも『私のガイア』でも違和感ないってのが……

LM仮面:
繰り返しになりますが、『ファイナルファンタジー』である必要がない、と。

破壊の大帝:
結局、FFの看板背負える作品じゃない、ってことなのよね。
で、やっぱり数字は正直で興行は大赤字。後はまぁ……

LM仮面:
……嫌な事件でしたね。

破壊の大帝:
何勘違いしているんだ!!

LM仮面:
……まぁ、一応言っときます。「ひょ」

破壊の大帝:
スクエア……いや、スクエニのフルCG作品は終了してないぜ!!
はい、そんなわけで続いてこちら、2005年発売の『Final Fantasy VII:Advent Children』。

LM仮面:
……これは、FF7の続編でしたっけ? アレですか? 人気のあったFF7の二匹目のドジョウというか……

破壊の大帝:
私もそう思ってたけど、今回折角だから口直しに買っといた。
ちなみにFF7の続編はゲームの『BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII』が2作目で本作は3作目だね。

LM仮面:
なるほど、それでいかがでしたか?

破壊の大帝:
めっさよかった! ……っとだけ言うとアレなのだけど、『Final Fantasy:The Spirits Within』でやらかしたことを全部リカバってるのよね。

LM仮面:
ほう。

破壊の大帝:
こちらも全部抑えていくと長くなるので、とりあえず表見て、表。

FFSW FF7AC
公開 映画館のちメディア DVDのみ
対象 一般向け? FF7プレイヤー
ジャンル SF。どちらかというとホラーに近い? FF7だってば!
舞台 近未来地球 FF7の世界(2年後)
登場人物 新作 クラウド達の2年後の姿。
そして新たな敵。
楽曲 新作 FF7の楽曲(アレンジ等)
バトル 銃撃戦。というか一方的にこちらが撃つ。
敵から触れられると死ぬ。
人間側は基本的に現実に即した
動きしかしない。
高速のバイクでの斬撃や銃撃。
超高速の格闘。
垂直な壁を駆け上ったりなど
現実的に不可能で派手な戦い
現実に即した感じ 基本、美男美女
カメラ 基本固定 グリグリ動くよ!

LM仮面:
表、久々ですね。

破壊の大帝:
まず、対象をぐぐっと「FF7をクリアした人」に絞ってる。言うてもFF7。全世界で1000万本出てるからね。

LM仮面:
……それをきくと、FF7の偉大さが分かりますね。

破壊の大帝:
その偉大さに負けないクオリティになるよう、FF7の世界をきっちり引き継いでる。
メテオを押し返しつつも多くの犠牲と新たな病に冒されたミッドガルで、面倒くさい性格が復活してるクラウド。
彼を狙う新たな敵と新羅カンパニーの面々。そしてライフストリームの向こう側から見守っている“彼”と“彼女”。
それらは仲間の結集と、宿命のライバルへと集約していくのですよ。お立ち会い!

LM仮面:
……ああ、これで実写でやるとかなり荒れますね。フルCGで「再現」する必要があります。

破壊の大帝:
ってか、そもそも通常シーンや戦闘シーンのFF7って結構荒いからね。ポリゴン。
思い出補修がかかっちゃってるけどね。それを上書きする美麗な世界だからほんと凄いよ。
ちゃんと、見たいところを見せてくれる。ってか映画化もそもそもFF7の補完って話もあるっぽいね……

LM仮面:
……それならそもそも、FF7でやるべきだと思うのですが……

破壊の大帝:
うん、そう思う(笑
とりま、こっちは売れに売れて400万枚越えたようです。
それだけの力を持っているのは、私が保証するのだぜ。

LM仮面:
んー……っと、やはり、失敗から学べ、って事ですかね。今回の教訓は。

破壊の大帝:
いや、失敗しても次がある、じゃないかな。
普通、ここまで大ゴケしたら大抵やらんじゃん、同じようなプロジェクトって。

LM仮面:
たしかにそうですね。

破壊の大帝:
まぁ、多分失敗した理由が明確で、そのリカバリも見えてたから行けたとは思うけど、
それでも、ちゃんとGOだせる企業なんだ、って所は評価すべきだと思うのです。スクエニ。
FF14も、「これでおしまいだー どんがらー」とはやらずに、ちゃんと巻き返してるからね。

LM仮面:
今回は結構褒めますね。

破壊の大帝:
言うても中のことは分からんけどね。ただ大きな流れとしては見ておきたかったな、と。
ま、その辺りを今後、吉Pさん情報から汲んで行きたいかな、とは思うわけで。

LM仮面:
なるほど、前哨戦見たいな感じですか。

破壊の大帝:
その割に書くのめっさ時間かかった……なんだろ。
多分、ホントはFF7ACも語りたいぐらいの勢いなのにネタバレ回避で抑えてみたからかも。

LM仮面:
普段よりも結構分量ありますしね。

破壊の大帝:
そんなわけで今日はこのへんで。ちなみに参考文献として映画大好きポンポさんを推しておきます。
何かを作る、特に映画についてとても鋭く、暖かく描いた作品です。書籍化もされてるのですよ。

LM仮面:
って、136ページ! 長いですね!

破壊の大帝:
あ、読み出すとあっという間だよ。コレ書きながら3回ほど読み返した。

LM仮面:
時間かかったのそれでですよ!


破壊の大帝ぐれねーどへ