続編作成決定について
破壊の大帝:
普通はさ……

LM仮面:
あ、はい?

破壊の大帝:
徐ろにタバコを咥えて、100円ライターで火を着けようとするんだけど動揺してなかなか着火しなくてさ。

LM仮面:
……はい。

破壊の大帝:
一瞬の火種から一息吸うと紫煙が肺に届くのを感じて、落ち着きを取り戻しながら溜息と共に吐き出す。

LM仮面:
それで?

破壊の大帝:
薄れていく煙を眺めて、向き直って一言、「嫌な事件だったね」って言う流れじゃん、これ。

LM仮面:
ああ、前置き長いですけど、お気持ちは何となく察しました。

破壊の大帝:
終了のタイミングで「続編作成決定」の発表だもん。やべぇよ。「続編作成決定」でググって今、艦これ2期のことしか出てこないよ(笑

LM仮面:
最早の最終話、終了直後ですよね。

破壊の大帝:
これも「普通はさ」って前置きがつくんだけど、「終わり良ければ全て良し」なのにさ。
途中がどうでアレ、最終回がバシッと決まってくれれば……多少のアラは許せるのに……

LM仮面:
見計らったように下限を更新しましたね。

破壊の大帝:
で、やっと終わった……と思ったら、2期。
あーいやでも、勝算があるからやってんだろうね、KADOKAWA的には。

LM仮面:
え? えらい人は止めないんですか?

破壊の大帝:
だって、作成総指揮の井上伸一郎ってKADOKAWAの代表取締役よ? アニメ・漫画部門、とか子会社とかじゃなくてオールKADOKAWAで上から数えた方が早い人よ?

LM仮面:
……あーいや、それはゲームやアニメをご存知ないパターンでは?

破壊の大帝:
『アニメック』から『月刊ニュータイプ』に行って、『月刊少年エース』の創刊編集長した御方よ?

LM仮面:
うぇ?

破壊の大帝:
永野護のエッセイ『MAMORU MANIA』を書かれているし、最近では競作集『怪獣文藝の逆襲』で小説デビューを果たしている。
あと、『仮面ライダー響鬼』の前期派。ここ重要。

LM仮面:
(最後の情報は要らないような)アニメ・漫画関係から出て今の地位って凄くないですか?

破壊の大帝:
うん、凄い。で、編集だけじゃなく今までも社長職を歴任している。
そういう人がDMMやニコ動の再生数はもちろん、完全地デジ化した現在はテレビ放映も正確な視聴率採れるし、DVDの予約状況、その他関連書籍やグッズの販売状況等々も全部把握し、それらを俯瞰的に見た上で経営者として「行ける」と判断してるわけだからね。

LM仮面:
……その割に、そもそもの出来が……

破壊の大帝:
そーこーなーのーよー
なので、ワザとやったと勝手に思ってる。

LM仮面:
え? 手を抜いたと?

破壊の大帝:
あ、ちょっと違って「敢えてコーディネートせず好きにやらせた」か……な。

LM仮面:
と、言いますと?

破壊の大帝:
人気から逆算し、アニメ数期分は計画でき、その上で一期分はペイ出来る見通しが有ったので、スタッフ育成やチームの力量の検討なども兼ねてやらせて見た……んじゃないかな? と。

LM仮面:
根拠は?

破壊の大帝:
無いよー。でもメリットはある。

LM仮面:
それも憶測でしょうが、聴きましょうか?

破壊の大帝:
その1、人員育成
有名どころばかり使っていると人材が涸渇するので、敢えて豪華メンバーで固めず、若手を実戦投入して経験値上げさせた。

LM仮面:
まぁ、そこはアニメスタッフ発表時にも、ビックタイトルの割に……と言う声も有りましたね。

破壊の大帝:
今までに無い化学反応を起こす可能性も有るからね。今回は残念な結果に成ったけど……
その2、ハードル下げ。
今後もアニメをやってこうと思ったら、一発目が神回連発だと2作目以降も同じかそれ以上のクオリティが必須になるし、一度コケたときの反動も大きい。

LM仮面:
で、敢えてコケるなら最初で、と言うことで冒険させてみたと。

破壊の大帝:
その3、政治上の問題。
結果の責任は問われる。また、「結果」は今後の口実に出来る。

LM仮面:
2期目以降、コントロールしやすくなりますね。

破壊の大帝:
続編決定と同時に発表された「艦観式2」、声優さんの名前順が今回とほぼ一緒なので、とりあえず「新作」ではなく「続編」なのは間違い無さそうなのよね。
なので、スタッフも総入れ換えではなく、悪かった部分の改善になるんじゃないかなーと。

LM仮面:
スタッフと言えば脚本の方が叩かれてますね。

破壊の大帝:
んー擁護するわけじゃないけど、一番の問題点はネゴ不足な気がするんだ。作品を観た上での正直な感想だけど。

LM仮面:
ネゴシエーション。ここではスタッフ間の意志疎通の事でしょうか?

破壊の大帝:
意志疎通による共通見解の確立かな。
ここから先も憶測だけど……

LM仮面:
まぁ、全部憶測ですからね。どうぞ。

破壊の大帝:
(苦笑)
まず「ゲーム内の世界を表現したい」ってのは有ったと思うのよね。それで【大前提1:提督は出さない】が決まった。

LM仮面:
ある意味、演出上のボトルネックですよね。

破壊の大帝:
で、これは艦これ運営が前から言ってた【大前提2:吹雪が主人公】。ただ、ゲームシステムを継承すると、お尻から数えた方が早い弱さだし、改二実装されたとはいえ……ねぇ。

LM仮面:
吹雪以上に強く、人気のある艦娘は幾らでも居ますからね。

破壊の大帝:
運営も途中から「初期艦娘は吹雪のみ」とか、多少ムリがあっても優遇処置とっておけば……
他にもほら、アニメのエンブレム、大和型じゃなくて吹雪、または赤城&吹雪にすれは「ほらこの子は特別ですよ」って言えたのに。

LM仮面:
何で大和にしたのでしょうね?

破壊の大帝:
しーらーんー
ちなみに原作は長門型ね。一応、戦前は「戦艦と言えば長門」だし、図鑑も1番目、長門だし。

LM仮面:
……どうしてそこで、吹雪にしなかったんでしょうね?

破壊の大帝:
しーらーんー
で、これは原作では何となく伝わってくる【大前提3:史実をなぞる力に抗う姿を描く】。これは艦これの、多分テーマなのだけど……

LM仮面:
真面目に史実やると吹雪も轟沈しちゃうので……そのもっと前、最初のW島からで……あれ? となると深雪は……

破壊の大帝:
というような懸念を孕みつつ、いろんな事情で【大前提4:大北劇場】。同様に声優さんの都合等々で使えるキャラは限られる。

LM仮面:
……すいません、この時点でストップかけたいのですが。

破壊の大帝:
で、他にも優先順位は低いものの色々注文があって、それらもひっくるめて12話で収まるよう話を作って、各話毎にブレッシュアップするわけですよ。

LM仮面:
ああ、ここでネゴの話が出てくるわけですね。

破壊の大帝:
やる人別だからね。で、本来チャンと詰めておかなきゃならないキャラクター設定(特に公式サイトに居ない艦娘)とか艦隊の戦闘とか、艦これ的に自然か否かとか、伏線どこに仕込んでおくとか。この辺、曖昧だったんじゃないかな。
もちろん、作るのは一話分でも、全体も知ってないと行けないのだけど、各話ぶち切りな印象を受けるので、実は共有されて無かったかもしれないね。

LM仮面:
チームでやる以上、その辺は必須ですよね。

破壊の大帝:
その上で、演出やら作画やらしながら……なのだけど、おそらく期限などの関係で最初の方で仕込んでおくべき伏線が入れられなくなり、終盤大慌てで詰め込んだものの、結果としてあの最終回に成ってしまったんじゃないかと。

LM仮面:
そういえば尺というか、前半は話が進まない感じでしたね。

破壊の大帝:
ラストどうするか揉めていて、未決着だったとか……

LM仮面:
全体自体が未決着だった場合ですか……怖いですね……

破壊の大帝:
おかげで、足柄さんの合コン発言も謎のママだよ。

LM仮面:
……怖いですね……(汗

破壊の大帝:
ただね、艦これアニメ自体は何度も延期してたから、炎上プロジェクトを丸投げしたとは思えないのよね。
いや、結果として途中で無茶ぶり挟んで納期がアレしたかもだけど。

LM仮面:
……そんな状態だとノープランで2期目の公表は難しいですよね。

破壊の大帝:
次も同じ轍を踏むと、流石に信用落ちるだろうね……
普通はさ。

LM仮面:
……更に何かありますか?

破壊の大帝:
当初の予定ではこの辺まで話して「公表された以上期待しますか。色んな意味で」で終わらせようと思っていたのだけど、こんな記事見つけた。

LM仮面:
えー「クールジャパン機構、KADOKAWAの海外クリエイター育成事業に4・5億円を出資へ」……!?

破壊の大帝:
まぁ先の話ではあるけれど、最近KADOKAWAってアニメ制作を小さな所に外注してるから、今回の炎上騒動もしかしたら無茶ぶりで国内のアニメ制作を圧迫、「こんなにクリエーターが不足しているんですよ」と明示するためで無関係では無いのでは……と、怖い考えになった(汗

LM仮面:
……考えすぎだと……思いますよ?


破壊の大帝ぐれねーどへ