『いけない☆サフラン』 その一
- アンジェ
- サフランちゃん、サフランちゃん。
- サフラン
- んー? アンジェ、なあに?
- アンジェ
- 秘密☆
- サフラン
- ……それじゃ何が言いたいか判らないよ。
- アンジェ
- てへっ☆
- サフラン
- てへっ、じゃなくてさ。
- アンジェ
- えへっ☆
- サフラン
- えへっ、でもなくてさ。
- アンジェ
- じゃーん、これなんだっ?
- サフラン
- なに、その怪しげな小瓶?
- アンジェ
- 秘密☆
- サフラン
- だから、それだと何を言いたいか判らないって。
- アンジェ
- てへっ☆
- サフラン
- てへっ、じゃなくてさ。
- アンジェ
- あのねー。サフランちゃん胸が無いでしょ。
- サフラン
- よっ、余計なおせわだよ!
- アンジェ
- その無い胸を大きくしてあげようかなーって思って。
- サフラン
- えっ、何っ、それってもしかして魔法の薬?
- アンジェ
- そうそう、この薬を一気にグーっと飲むとぉ……
- サフラン
- のっ、飲むと?
- アンジェ
- 死んじゃうの。
- サフラン
- アンジェっ!僕を殺すつもりなの?
- アンジェ
- 塗り薬なの☆
- サフラン
- なんだ、そうなんだ。
- アンジェ
- この薬を塗ると、どんな胸でもどんどん大きくなるのよ。
- サフラン
- ホント? ホントにホントなの?
- アンジェ
- この薬、サフランちゃんに使ってあげる。
- サフラン
- あっ、ありがとうアンジェ!
- もしかしたらボク、アンジェのこと誤解してたかもしれない……
- アンジェ
- ……………………
- サフラン
- ……………………
- アンジェ
- ……………………
- サフラン
- ……………………
- アンジェ
- どうしたのサフランちゃん?
- サフラン
- ねぇアンジェ、どうしてその瓶、自分で持ったままなの?
- アンジェ
- 私のだから。
- サフラン
- いや、そうじゃなくて……
- アンジェ
- あ、判った。やっぱり私も脱がないと恥ずかしい?
- そうならそうと……
- サフラン
- アンジェ、アンジェは脱がなくていいよ!!
- アンジェ
- 折角私が塗ってあげようと待っているのに、
- サフランちゃん脱がないんだもん。
- サフラン
- ……アンジェ。ボク、アンジェの事誤解してなかった。
- 思った通りだった。
- アンジェ
- きゃーっ、思った通り、サフランちゃんは私の事好きなんだ☆
- サフラン
- そんなこと言ってないよぉ!
- アンジェ
- 言い忘れていたけど、この薬。自分で塗っても意味がないの。
- サフラン
- えっ?どういう事??
- アンジェ
- 塗ってくれた人の胸と同じ大きさに大きくなる薬なの。
- サフラン
- ……それが?
- アンジェ
- だから、自分で塗っても元のまま。
- サフラン
- ……ホント?
- アンジェ
- それと、血縁の人も駄目。
- 魔力が中和されるらしいの。
- サフラン
- ……そんな怪しげな物、どこから入手したんだよ。
- アンジェ
- あ、そういう事言うんだ。
- 折角サフランちゃんの為にアブナイ橋を渡って入手したのにー。
- サフラン
- アブナイ橋って・・・
- アンジェ
- “アブナイ走って”とそっくり、きゃ☆
- サフラン
- 訳分かんないよ!
- アンジェ
- 別にいいのよ。大きくなくていいなら。
- サフラン
- ……わかったよぉ。
- でも、絶対変な事しないでね。
- アンジェ
- きゃー、サフランちゃん御開帳〜
- サフラン
- ……はやく、してよね。
- アンジェ
- 赤くなってる☆ サフランちゃんかわいいー☆
- サフラン
- ……ホントに恥ずかしいんだから……
- アンジェ
- ……本当に無いわね、胸。
- サフラン
- アンジェぇっ!!!
- アンジェ
- 冗談よ。じゃ、行くわよ☆
- サフラン
- ぅっ……沁みる……
- アンジェ
- 最初は冷たいけど、段々熱を持ってくるはずよ。
- サフラン
- ホントだ・・・温かくなってきた。
- アンジェ
- ほらね、効いてきてるのよ。
- サフラン
- ホントに……変な事しちゃ嫌だよ…
- アンジェ
- 大丈夫☆
- サフラン
- アンジェが・・・そう言っても…説得力無いよ…
- アンジェ
- きゃー、誉められちゃった☆
- サフラン
- そんなに……早くしないで……
- アンジェ
- だって、良く塗り込まないとね☆
- サフラン
- ………ふぅ………熱い………
- アンジェ
- サフランちゃん、体中赤くなってきてるー☆
- サフラン
- ふぅ……ねぇ、アンジェ、なんだかボク、変だよ。
- アンジェ
- どう変なの?
- サフラン
- お酒飲んだみたい………目が回るの………
- アンジェ
- あ、凄い。ほら、サフランちゃんも感じる?
- 大きくなってきてる。
- サフラン
- ……ほんとだ………はあん………
- アンジェ
- もっと擦り込んであげるね。
- サフラン
- ああんっ……はあっ……ふうぅ……
- アンジェ
- きゃー、ふにふにー☆
- サフラン
- ……そんなぁ……そんな風に揉まないで……
- アンジェ
- 可愛いー☆ きゃー☆ ふにふにー☆
- サフラン
- あっ……あんじぇ……どうしてスカート捲くってるの…?
- アンジェ
- こっちにも塗ると、もっと効果的なのよ。
- サフラン
- いやっ……あぅっ………
- アンジェ
- あら?まだ塗っても無いのに、何かしら?
- サフラン
- だめぇ…だめだってぇ…いやぁぁっ……
- アンジェ
- きゃー☆ ここも伸びるんだー☆
- サフラン
- あんじぇぇっ……そんなところ……ひっぱっちゃいやぁぁ…
- アンジェ
- だってー☆ ふにふにー☆
- サフラン
- あんじぇのばかばかぁっ……ばかァあんっ………
- アンジェ
- そんな事言うと、やめちゃうわよ?
- サフラン
- ねぇ…あんじぇ、やめてほしいのに……やめてほしくないの……
- アンジェ
- なら、やめない☆
- サフラン
- あんじぇ……恐いよ……ボク……ボクじゃなくなる……
- アンジェ
- 大丈夫☆ 私がついてるから☆
- サフラン
- あんじぇ……あんじぇ………ああんっ……
- アンジェ
- サフランちゃん☆ ………ちゅ☆
- サフラン
- ううぅ……ううん……あんじぇぇ……
- アンジェ
- サフランちゃんの唇も、やわらかい☆
- サフラン
- あんじぇ………ううん………舌なんか……いれちゃいやぁ……
- アンジェ
- ちゅ☆
- サフラン
- ………もうだめェ……溶けちゃうぅ……
- ガラスが……はじけて……きらきらしながら……
- 落ちていくみたい……
- サフラン
- はっ! ここは……家のベット!
- 胸は………元のままだ……夢?
- サフランの姉
- 目が覚めたのね、心配したんだから。
- サフラン
- お姉ちゃん? 何かあったの?
- サフランの姉
- 昨日、4つ星の酒場でまたお酒飲んだでしょ?
- いつもよりもぐったりしていたから心配だったんだから。
- サフラン
- ………そう、うん、そう………ごめんね。
- サフランの姉
- そういえば、昨日、胸に何か詰め物でもしてた?
- 妙に膨らんでる気がしたんだけど
- サフラン
- きっ、気の精!気の精だよ、絶対、気の精!!
- 気の精だよぉ………えーん………
- サフランの姉
- ちょっと、どうしたのよ!
- 落ち着きなさいって……………サフラン…………