おしかけ女神
えー、一昔前は噺家がこんなふうに高座に上がったら「毎度ばかばかしいお笑いを」なんて挨拶したものですが、今日日、落語なんてNHKぐらいしかやりませんからな。しかも週一で別の人が代わる代わるってところですか。年末年始には初笑いってことで特番組まれたりもするんですが、これだって年に一度。毎度って程では在りませんな。
でもまぁ、特番があるだけ良いんでしょうが、NHKだと致命的な問題があるんですな。つまりシモネタが出来ない。ラジオのほうでは少しは艶な話も流せるんですが、テレビはねぇ、色々と制約がありまして、長いだの細いだの、太いだの短いだのってのもご法度で、削られちまうんですなぁ。そんなわけで今回は、シモで固めた話でご機嫌を伺おうって寸法でして。
「ごめんくださいまし、ごめんくださいまし」
「あーまったく、こんな時分に何事だい? あーもう、五月蝿くって寝れねぇじゃねぇか」
「どんどんどん、ごめんくださいまし」
「ドンドン、なんて口で言わなくても良いよ。ああ、誰だい誰だい」
はっつあんがガラガラと戸を開けますと、表にいたのは大変器量のいい17・8の娘さんであります。
「おっ、おっ? 何だい何だい? 妙な格好しやがってコミケの帰りかい?」
「お初にお目にかかります。私、『不幸な人を救う女神の会』、会員ナンバー0034のルーランちゃんです☆」
「うちは宗教お断りだぜ」
「女神がお気に召さないなら天使でも精霊でもなんでも読み変えてくださいませ。 この際なんでもアリアリですから」
「いい加減だねぇこりゃ。しっかし、急に女神なんていわれてもアレだ。なんか証拠でもあるのかい?」
「ほーら、ココに観音様♪」
あーこれは頭のネジが緩い子だなぁとは思いつつ、はっつあんも男盛り。可愛い子が目の前にいて、大股開いているというのにあっさり返す了見はありません。外で立ち話もなんだと家の中に招き入れます。
「で、その『不幸な人を救う女神の会』のお方がおいらのところに何の用だい」
「あ、それは貴方、八兵衛さんが貧乏で、卑しくて、不器用で、みみっちくて、臭くて、知恵が足りなくて、不細工で、さもしくて、禿げで、見苦しくて、ケチで、暑苦しくて、チビで、不潔で、センスが無くて、…」
「あーもういいよ、聴いてて気が沈んで来らぁ」
「ほら、不幸でしょ? それを私がハッピーにするために派遣されてきたんですよ」
ルーランと名乗った少女、っても胸もお尻もピチピチなおねーさんなんですが、それがクルリと廻ってポーズを決めます。ブロンドのショートヘアがいい匂いを播きながら、サラサラと音を立てて宙を踊ります。なんていいますかね、浴衣風というか着流し風というか、前で羽織って帯で結んだだけの格好ですから、白い太ももやザボンの様に大きな乳房がいやってほど目に付くんですな。はっつあん、言いたい放題されながらも思いっきり見とれております。
「…どうかしました?」
「あーいや、派遣がどうしたって?」
「それですよ。不景気なこの世の中、不幸な人が悶々と日を過ごしているうちに段々自己と世界の境界が薄れていく。すると妄想で済んでいたものに抑制が効かなくなって、やれ虐殺だやれ性犯罪だと他人を巻き込んで不幸を振りまいていくわけですよ」
「なるほど、それを未然に防ごうってハラかい」
「そうそう、それで八兵衛さんも一思いに…」
「あーバカヤロ! なにヒカリモノなんてだしてんだい!」
「あ、ごめんなさい。私、武神から融合合体して女神化したんでつい」
「わけわかんねーよ。死神じゃねぇんだろ? 女神だったらちゃんと汐らしくしといてくれ」
「あい」
どこからか取り出した青龍刀をどこからか仕舞うと、ぺたんと女の子座りで腰をおろすルーラン。よくよく見ると女神というだけあって滅多にお目にかかれない、均整の取れた貌をしています。もちろん、はっつあん、劣情がむくむくと頭をもたげ始めます。
「じゃ、じゃぁ、とりあえず夜伽してもらおうかな」
「ヨトギですか? あ、私得意です!」
「…それはヨモギだろ?」
「まだ何もしてないのに… でも、よく判りましたね」
「そうじゃなくて、夜の営みをだねぇ」
「ドロボウさんとかですか?」
「いやそうじゃなくてぇ…あーなんだ、おしべとめしべがなぁ…」
「あーセックスですね、私、セックス大好きなんですよ。朝昼晩、食前食後にやってるぐらいですから☆」
ココまで頭が緩いと興が殺がれるものですが、にこっと笑った彼女の顔は妙に色っぽく、はっつあん、不吉な言葉は耳に入りません。やる気満々でございます。
「じゃぁ、まず服脱いでくれよ」
「ちゃらちゃちゃちゃちゃ〜♪ ちゃらちゃちゃちゃーちゃちゃー♪」
「おいおい曲は良いよ。というかアンタ、それは古いんじゃないか?」
「だって、私一応女神なんで長生きしてますからー 歳はー」
「言わなくていいよ、なんか萎えちゃうからさ」
「それで勃ってるんですか?」
「いうなよ、気にしてんだからさ」
「お口臭い…」
「一々うるせぇな! ちったぁ黙ってくれ!」
はっつあん、ルーランを横たえさせると、愛撫もソコソコに圧し掛かります。胸なんか揉むというより、ぎゅっと握り締める感じですな。さすが自分で好きとは言うだけあってルーランの花ビラはしっとり濡れては居ますけど、はっつあん、したたりを指で確認するが早いか愚息をぐっぐっと押し込みます。
「人間観察メモ、女日照りの独り者はSEXも独り善がり…と」
「いらねぇお世話だよ!」
突っ込みながら突っ込んでみたりしていますが、さすがにルーランのほうも身体が火照ってきたと見えて、息が荒くなってきます。
「…もっと…もっと奥のほうもぉ……」
「一杯一杯入れてるじゃねぇか」
「短ッ」
「うっせぇ……おぉっ?」
「早ッ」
「よっ、よけーなおせわだぁ!」
はっつあん、少し半泣きです。ルーランは上体を起こして、そんなはっつあんの背中をじっと見つめています。
「判ったわ、貴方の不幸は粗短早の三拍子揃ったその男性自身にあるのよ。性器へのコンプレックスが貴方のトラウマになって内向的になり、いじけてねじれた性根に成り下がっているんだわ」
「はっきり言うねぇ…で、アンタ、何とかしてくれるのかい?」
「もちろん! 不幸の芽を摘まないと私が来た意義がありませんよ!」
ルーラン、膝をつくとはっつあんのモノをぱくりと咥えます。
「うっ? ウォおっ? なんだなんだ…なんか変な感じだよ」
じたばたするはっつあんですが、ルーランが口を放すと、最初親指ほどだったモノが、バナナぐらいに膨れ上がった上に、なんだかエイリアンの後頭部みたいにデコボコして、更には触手なんか付いちゃってたりしています。
「くねりアーンド震動ブルブル付ハイパーグレードペニス! これで貫かれればいかなる貞淑なお嬢様だろうが果ては立派な肉奴隷! 今ならローション噴射装置までついてきて更にお得よ!」
「おいおい、物騒なモノつけるねぇ〜 って、ホントにアンタ、女神だったんだなぁ」
「あれ? 信じて頂けてなかったのですか?」
「まぁいいや、これでホントに大丈夫なんだろうなぁ」
「ええ、全然OKなはずです」
「はずってなんだよ………おい、もう一度横に成れよ、試してみるからさ」
「あー!! ダメですダメです! ダメですってばぁ!!」
はっつあん、抵抗するルーランを再び押し倒すと、ぐいっと濡れそぼった洞窟へ一押し。彼女の膣道の繊細さがよくよく伝わってきますが、だからと言ってすぐに行くって訳でもない。今度は堪能できそうな感じです。
「……うう………くすん………うごいちゃ……うごいちゃや……」
ルーランの方はというと、先ほどとは打って変って、すすり泣きながら身を小さく寄せてきます。あまりの豹変振りにはっつあん少し心配になりました。
「おっ、おい急にどうしたんだい」
はっつあんが少し身体を捩らせると、ルーランはその倍は身体を捻ります。
「あはんっ! 良いッ 良過ぎるっ!!」
「善がってやがるのか、さっきは露ほどそんな気も見せなかったくせに」
「あー… だめ…あたし…だめ……だめになっちゃうよぉ……くすん……ひぃぃんっ…」
何もしなくても、瞳に涙を溜めてじっとはっつあんを見つめるルーラン。可愛いですがもっと虐めたくなる表情です。はっつあんの心にむくむくと嗜虐心というモノが湧きだってきます。
「……へっへっへ、さっきは良くも散々な事言ってくれたな。重々お礼してやるぜ!」
先ほどまでならルーランも冷静な切り返しが出来たのでしょうが、今はもう、はっつあんの腰の動きの合わせて涙を落すしか在りません。はっつあんはルーランの大きな乳房をぐんぐんと揉んで、イチゴの様に張り詰めた乳首をちゅーちゅー吸ってやります。
「むぅん…あああっ! ダメっ ダメっ ン……ン……ンンッ!!」
乳よりも甘い汁が彼女の胸から零れます。あーあーあーあっと、息苦しそうに目を白黒させながら、ルーランの両手が宙を彷徨います。
「ひぃん……気持ちいいよぉ! イイっ 良いッ!! ああんあんあんあああん!!」
身を反転させてうつぶせになったルーランを、後ろからはっつあんが攻め立てます。胸が押し潰されながら、善がりつづけるルーランですが、突けば突くほど面白いように反応するので、はっつあんも夢中で突いて突いて突きまくります。
「くるぅ……くる……きちゃうぅ……ああんっ 天国ぅっ 天国が見えるっぅ!!」
ぴくっ、ぴくっ…っと、瞳を閉じたまま、身体を硬直させたルーランはドサリと床に倒れこみました。天国ってお前どこから着たんだよと、はっつあんは思いましたが少し呼吸を整えると、ルーランはもぞもぞとはっつあんの方へ身を寄せてきます。
「ああん……もっとぉ……もっとイキタイ……」
甘えた声でしなだれかかるルーラン。どんな男でも再び勃ちあがりそうなシチュエーションですが、はっつあんのペニスもハイパーグレードというだけあって、全く衰えはありません。今度はルーランが上で、はっつあんが下です。
「ンっ、ンっ…ン……大分慣れて来たみたい……ああ、でも凄く良いよぉ」
大きな胸がわっさわっさと揺れます。目を細めて楽しんでいるルーラン。はっつあんは何もしなくていいので楽で仕方がありません。色っぽい娘が身体を弄んでいる様を眺めるだけでも、それはそれは見栄えのいいものです。そしてルーランの声といったらもう、鈴の様に響き渡って清い音楽を聴いているようです。
「Coming Coming、Oh,My GoooooooD!!」
「………アンタどこの神様だい」
「んーあー…イイの……もっと欲しいよぉ……」
ルーランの熱い愛液は、はっつあんのふぐりまでびっしょりと濡らしています。はっつあんは体を起こすとじゅるじゅるとねぶります。むっちりとした太ももに挟まれて、非常にいい按配です。
「あーっ、それ好きィ! してして、もっとしてぇ!」
「返事は無しかい? あーもう、大変な淫乱神様だねぇ。でもまぁ、いいか。楽しませてもらおうぜ」
そんなこんなで、其の晩は抜かずの三発どころではなく、東の空が白むまではっつあんはよろしくやっておりました。
「はて、ココはどこだ?」
目を覚ますと、いつもの長屋では在りません。ぼーっと白い霧がかかってまして、前は良く見えない。ただ足元がごつごつしてて外にいることは間違い無さそうです。はっつあん、ちょっとずつ前に進んでいきますが次第に目が慣れてきます。
「おっ…河原じゃねぇか……げっ? まさか!?」
ひーとーつ、つーんでは、はーはーのーたーめー。子供たちが小石を積んでいるのを、赤や青の鬼どもが横からついてそれを崩しています。音には聞いた賽の河原、はっつあんはあの世の入り口に着ておりました。
「ほっほっほ、おぬしも『不幸な人を救う女神の会』とやらにやられたクチじゃな」
「うぉっ、いきなりなんだい。アンタ何もんだ?」
「ワシは奪衣婆じゃよ。いやな、主のようにイチモツを変えられた奴等が最近多く来てての。どいつも世のために余り為らん連中だったがな」
「なんだぁ、俺だけじゃないのかい」
「人体操作の術は負担が激しいのじゃよ。それで一戦も二戦もやっていれば死ぬのは当たり前じゃな」
「ああ、やっぱり死神………いや、あれじゃぁイき神だなぁ」
「まぁ、ハメラレタってことじゃな」
お後がよろしいようで。