くノ一淫法帳〜雌畜養調の巻〜
じゅるり、じゅるり、じゅるり。何かが這い寄りすれる音、 そしてあられもない呻き声と喘ぎ声。五六人の影が淫らに揺れている。身体の全てを穴にされた“女”達。 女と言う表現は的確ではないかも知れない。女とは人を指す。 彼女たちは生きながらにして淫欲と言う畜生道へ落ちた者達。「ああっ!ああっ!!!あぁんあぁん!!」
「もっとぉっ!!もっとぉぉ!!!」
言葉?いや、それは鳴き声でしかない。 強力な媚薬を発する外道達に犯され続け休む暇無く攻め続けられ、おおよそ思考と呼べる物は吹き飛んでいる。 うねり、もがき、全身から歓喜が溢れていく。ただ、その繰り返し。
彼女たちをここまで追いやっているもの、外道とは根来の秘術を以って養殖された生き物達。 ここに居るのは巨大に、そして性感帯を効率よく刺激するよう調教されたミミズ達。 もっとも、外道は彼らに限った事ではない。用途によってさまざまな外道が控えている。 ミミズ達の役目は、ここに連れてこられた者達の心を狂わせ、そして身体を作り替えていく事。 彼らは前哨でしかなく、これからゆっくりと生け贄達は調教される。
「ひぃぃやぁぁ・・・ひやぁんぁ・・・」
1人が感極まって尿を漏らした。ふとももを引きつらせて痙攣する。 外道は今発せられた暖かく金色の汁を丁寧に啜り、そして再び愛撫に戻る。 放出を終えたそこは余計に過敏になっていて、ちょっと触れただけでも何倍もの刺激となって 彼女の身体を駆け巡った。再びアクメへと追いやられる。
ミミズ達は彼女らの糞尿を貪り、女達はミミズが時折噴出する液体を啜る。 その体液は淫欲を催させるのみでなく人の身体の構造を変え、より妖絶なものと化生せしめる。 強靭にしていかなる使用にも耐えられる淫畜へと心身ともに生まれ変わらせるのである。
誰も知らぬ地獄絵巻きは、江戸の町より程近い武蔵野の地下に淫祠邪祭の魔窟が存在した。 荒ぶる神が鎮座し、人身御供が行われたというその地こそ彼ら根来の基地であり聖地であった。 各地より選りすぐられた美貌の者達がその毒牙にかけられ、そのうち幾人ものが 名の在る大名や豪商達への貢ぎ物として珍重されていた。
連れてこられたのは女だけではない。少年少女、特に去勢された美少年は大奥や寺院で珍重される。 しかし、彼らにとって肉人形の寄進は単に権力への接近であって本意ではない。 根来は元は寺院に結びついた山の民であった。しかし今こうして淫なる術を駆使しているのは 根来の本流から追放された正に外道の民である。彼らの目標は彼らの祭祀の復興。 彼らの信じる淫虐な神々へを奉る事が本義である。
淫技に才をもつ者、外道の資質を顕わす者は忍として、あるいは巫女として更なる訓練がなされる。 そして偉大にして邪悪なる福音を、日本各地へ広めていたのである。 この洞窟にも陰ながら幾人かの忍びが監視に当っていた。そして新たな影が現われる。
「アザミ様、彼奴を化畜房に移しておきました。」
何処からともなく声が掛る。忍びの影は常人には見えない。 アザミと呼ばれた女は影を確認しようともせず、その言葉に肯く。 アザミの装束は忍びなれど巫女に似て、白と赤の儀式張ったものであった。 年齢的には二十歳後半であろうか、香ってきそうな熟れた色気がその体から漂う。 彼女は洞窟の一角へ歩み、形だけの扉を開けて明かりを点した。
そこには際立って見事な肢体と美貌を持つ女が両の手足を固定されていた。 彼女の名はカスミ、先だってアザミの手で篭絡された哀れな虜。 彼女自身も淫を用いて妖しを為すクノイチの1人であった。 しかし、彼女の術を上回る外道の術にて忘我の境を彷徨っていた。
「あぁぁ・・・きゅぅ・・・・うぅ・・・・」
歓喜に鳴咽を漏らすカスミ、翻弄されて快楽をもさぼるその姿は扇情的と言ってしまうには惜しい。 自我の崩壊した無我の境地、その表情は妖しくも儚く、美しい。 艶やかな肌が桃色に染まり、はちきれんばかりの胸が腰が悩ましげに揺れている。
「カスミちゃん?あらあら、自分の名前も忘れちゃったのね。」
カスミは愉悦を上げ続ける。その瞳は何も写してない、彼女だけの極楽が見えている。
「あひゅっ、あひゅっっ」
陶然とし続けるカスミを満足げに確認するとアザミは何事か合図をする。 ずぽ、音を立ててミミズがカスミの花弁から抜け出した。白濁した混合液がどろりと排出された。 すると次第にカスミの顔色が変って行く。それは不安と恐怖の色。
彼女がここに連れてこられて既に3日。 その間ずっと、彼女の秘所は絶えず蠕動するミミズに埋め尽くされていた。 胎内を全て埋め尽くす事は形の決まった男の物では不可能である。 変幻自在の責めも、次第に馴染み、カスミ自身と一体化して、無くてはならないものになっていた。 胎道が空虚になると不安になる。一刻も速く何かでいっぱいにしてもらいたい。 少しでもそこに刺激を加えようと儚い努力をする。そのはちきれそうなふとももと股を摺り寄せて、擦る。 しかし、固定された足ではそれもままならない。
淫乱、そういう言い方も在るかもしれない。しかし、カスミにはそれらの言葉は頭に湧いてこなかった。 彼女の心はただ一つ、まるで全てが流れ出ていってしまうような不安を何とかしたい、それだけだった。 自分の動きでは到底空しさを埋める事が出来ない。中途半端な刺激は余計に空ろさを感じさせる。 カスミに困惑の表情が浮かびはじめた。その瞳に涙が流れ始める。
「あきゅぅ・・・ひゃん・・・」
「そうなの、欲しいのね。」
予定通り事が運ぶ事に、満足げな表情を見せるアザミ。 それと同時に彼女の腰が妖しく揺れ、服の上から分かるほど彼女の恥丘がうごめき始めた。 そしてはばかりながらも、彼女自身を覆う布から、次第に胎内から外へとはみ出して行く何か。 それは彼女の膣壁、しかしただの脱腸ではない。襞がうねりくねりつつ異常な迄に伸びていく。 猫の尻尾のように優雅になびきながら、するするとカスミの目の前まで伸びていった。
そう、アザミもまた、外道の者。「欲しいのね。コレが欲しいのね」
「ぅう〜・・・ぁあ〜・・・」
カスミにとって相手が何であろうが構わなかった。 開けっ放しの口から、唾がたれる。ほしい、舌を伸ばしてそれに近づこうとする。
「返事は『はい』。言ってごらんなさい?『はい』」
優しく諭すように、しかし毅然と命令する。
「言えないなら無しよ?」
アザミの目が悪戯っぽく笑う。
「ひゃ・・・ひゃいィ・・・ひゃいッ!」
胸の突起をアザミの秘所が舐めて始めた。軽い刺激であるが確かな感触、 温かな触感はカスミの不安を少し慰めた。柔らかな乳房は押し潰され、こね回される。
「ふ・・・ふひゅぅ・・・うぅん・・・」
カスミの反応に気を良くしたアザミの瞳も妖しく燃える。 それは肉欲ではない、人であった家畜を調教し征服する黒い欲望である。 邪で禍禍しい、人の外の支配欲。アザミは胸から腹、そして草むらへと愛撫を続け、 ゆだれでいっぱいの唇に接吻する。
「『入れて下さい』、言えないの?」
淫靡に微笑しながら小さな突起を弄ぶアザミ。顔を近づけ、彼女の瞳に訴える。
「いぃ・・・いれてぇ。くださひぃ・・・いれてくださイッ!」。
秘所を舐めあげながらアザミは少しずつ沈没していった。女のそれは男のそれよりも深く馴染んだ。 襞と襞が擦れ、二人の淫液が交じり合う。同じ柔らかさ同士の有り得ない刺激がそこにあった。
「あああ・・・ふぅう・・・ああああ・・・ふうぅう・・・」
視点が定まらず辛うじて口元が嬉々と歪む、カスミは腰を振る。 カスミはこのままでも、自分で腰を使って達するだろう。 だが、主の快楽には繋がらない。
「ご主人様にご奉仕出来るかしら?」
すぽん、アザミの道具が急に抜ける。再び空虚になるカスミ。
「きゃぁあんん・・・ぐぅぅ・・ぐるるぅぅ・・」
抜けた時の感触に戸惑いながらも苛立ちを現す。しかしカスミになすすべはない。
「貴女のおくちで愛撫して・・・」
再びカスミの口元へと、アザミは自分の身体を持っていく。カスミには愛撫という言葉は 分からなかったが、今自分を貫いたそれを咥えると、勢い良く吸った。 そして本能が、いや今まで刷込まれていた感覚がカスミに舌を使わせる。
「なかなか良いじゃない。」
生暖かいカスミの舌は巧妙にアザミを刺激する。秘部を舐め上げられるが如く、 アザミの顔にも朱が差した。アザミも、カスミの舌を吸う。
暫く愛撫を続けると、アザミはそれを引き抜き、替りに口でカスミを吸った。舌と舌が蕩けあう。 カスミの胸を優しく揉み解しながらアザミはゆっくりと角度を決める。「ひゃんっ!あふぅ・・・ぅはっ!!」
ずぼっ、ずぼっ、大きく弧を描き、アザミの膣壁は彼女自身の淫液を垂らしながらカスミを貫く。 その度にカスミは大きくのけぞり頭を振る。凄まじく打ち震える二人の肢体。
「あふぅっ!あふぅうっ!!ふぅっふぅうつツぅッ!!!」
ミミズの、機械的で単調なリズムを嘲るアザミの調律。それは大きく、時に小刻みにカスミの胎を翻弄する。
「ぅぅ・・・ぅひゅぅ・・・」
自然に開いて行くカスミの足を、アザミは更に押し広げる。
「ほら、きつく締めて。貴女もクノイチだったのなら出来るはずよ。」
「うひゃっ、ひゃっひゃっっ、ひゃぁんっ!」
元々くのいちとして鍛えられたカスミである。尤も、その記憶は彼女にとって遠いものである。 しかし、一度憶えた技はそう抜ける物ではない。無意識に、そして次第に意識的にアザミのリズムにあわせていく。
・・・凄いわ、この子はものになる。アザミもそう思うほど見事なカスミの蠕動であった。 柔らかで、それで居てしなやかに切なげに締め付ける。アザミの、最も敏感な突起を挿入していたなら、 さすがの彼女も肉の歓びに惑わされていたかもしれない。
「そう、ご主人様に素直なら、気持ち良く成れるのよ。」
「きゅぅうん、はぁいィ・・・はぁぃぃイ!!」
アザミの額に汗が光る。カスミはガクガクと、より高く、より激しく押しやられる。
「ああぁーっ!あぁっ、あっあっあっあぁーっ!!」
「あら、よく出来たわね。」
大きく歓喜の歌を発し、果てたカスミはぐったりとアザミにしなだれかかった。息が荒い。 アザミは優しく彼女の黒髪を撫で上げる。
「ご褒美よ。お食べなさい。」
アザミが取出したのは飴玉であった。この頃は、砂糖はまだまだ貴重品である。 性の快楽以外にも、甘さと言う魔薬で釣る。
カスミはと言うと喜んでそれを含み、舐める。コロコロと口内で転がす。 甘みが疲れた身体を癒し、心を奪う。そしてアザミを、優しい主人と認める。 五感を駆使した調教が始まろうとしていた。
人を獣に落とし、それからゆっくり芸を仕込む。従順な家畜として飼い主に奉仕出来るように。 奴隷は所詮人間であるのに引き換え、家畜は人ではなく獣である。 しかし、淫欲に翻弄される野獣は肉の喜びを心の喜びにすり替えていく事で従順になる。 いや、従順になるように調教していくのである。そうすれば命令され、虐待される中に主人に尽くす歓びを見出していく。 命さえも主に投げ出すようになるだろう。
カスミにとって、新たな喜びが刷込まれる調教こそが今の生きる証であった。