ボランティアは被災者の自立を妨げているという意見が有る。
ボランティアは自腹を切って現地を訪れています。「被災者のため」と思ってはいても、間違いなく自己満足です。経済的・時間的に余裕があるから行くことができる。被災者の雇用のことはほとんど考えていないでしょう。
被災者はそんなボランティアへの感謝が先にたち、”ちょっと邪魔だな”と思ってはいても何もいえません。実際、ご負担をおかけしてしまったこともあります。
そんなボランティアと被災者の間は、微妙なバランスで成り立ってるのでしょう。
家も無ければ仕事もない被災者の方々。
瓦礫を片付け、どぶを掃除し、思い出の品を拾い出しているボランティア。
そのボランティアがもし居なかったら、彼ら被災者に仕事は回ったのでしょうか?回るのでしょうか?
答えは「否」だと思います。
先にも書きましたが、ボランティアは自腹です。
だけど被災者がその「仕事」をしようと思ったとき、誰がその賃金を出してくれるのでしょう?
企業はどこからかお金が出ない限り動きませんし、自治体にはそんな余裕は有りません。
主要社会インフラの復旧以外は進んでいない事実がそこに有ります。
自衛隊がやっている海中捜索とて同じこと。船と装備さえ与えれば、現地漁業民がやれることです。
やらなければならない仕事がどれだけ有っても、人を雇うお金は何処にも有りません。
結局は、誰かがお金を出さなければ被災者たちの雇用は無い。
ボランティアがいなかったら、被災者は瓦礫の中に埋もれ続けているだけ。
では、”誰がお金を出すか?”
間違いなく「国」です。”国難”なんですから。
発生から六ヶ月も経つというのに、まだ何も行えていない政府、国会。
やっと新しい総理大臣が決まったけど、この緊急時にそんなことをやっているから被災者へ仕事が回らない。この震災は現代社会になってから初めて直面する大事態。10個や20個の失政など起こって当たり前。
そんな事に目くじらを立てず、復興に全力で向かって欲しい。
そして「これからのボランティア」は、復旧ではなく復興に役立つような活動が求められているのでしょう。力仕事ではなく、考え、仕組みを作る行動が必要な時期です。
とはいえ、自分にどれだけのことが出来るのか考えると目の前に濃い霧が立ち込めてますが・・・